泉質による分類:硫酸塩泉(石膏泉)

泉質による9つの温泉分類、今回は硫酸塩泉(石膏泉)です。

硫酸塩泉(石膏泉)とは


硫酸塩泉(石膏泉)は、温泉1kg中に1000mg以上の含有成分があり、その主成分の陰イオンが硫酸イオンのものです。硫酸塩泉がすなわち石膏泉というわけではなく、硫酸塩泉の中には石膏泉のほか芒硝泉、正苦味泉などの小カテゴリもあります。
硫酸塩泉という名称には、薬品の硫酸のような強力な反応を起こすイメージや、硫酸のの字から硫黄臭のするイメージがあるかもしれませんが、実際の硫酸塩泉はそれらのイメージとは異なり、比較的見た目も地味な、無味無臭に近い温泉です。

硫酸塩泉(石膏泉)の効能


硫酸塩泉(石膏泉)の効能は、まず陰イオンである硫酸イオンがもたらす効果として、血管を拡張し血液の流れを良くするというものがあります。そのため、肩こりや腰痛などの痛みを緩和する働きをもちます。また硫酸塩泉では、陽イオンの種類によってうたわれている効能が微妙に異なることもあります。陽イオンによる小カテゴリの説明とともに効能を挙げていきましょう。

石膏泉の効能


石膏泉と呼ばれているのは、カルシウム-硫酸塩泉です。石膏というのは、彫刻などでも使われる身近な成分ですね。この石膏が化合物の硫酸カルシウムにあたります。陽イオンとしてカルシウムイオンをもつ石膏泉には、効能として脳卒中や外傷の治癒などがよく挙げられており、俗に「中風の湯」「傷の湯」と呼ばれます。石膏はその解熱作用により生薬として用いられることも多く、それゆえ石膏泉は飲用にも適していると言われます。

芒硝泉(ぼうしょうせん)の効能


芒硝泉とは、陽イオンとしてナトリウムイオンをもつ、ナトリウム-硫酸塩泉のことです。効能は硫酸塩泉の主立ったもの、つまり高血圧予防、血行促進などです。硫酸ナトリウムは人体に対する危険性が少なく、硫酸カルシウムとともに市販の入浴剤の原料となっています。

正苦味泉(しょうくみせん/せいくみせん)の効能


正苦味泉の正苦味とは、硫酸マグネシウムのことです。つまり、マグネシウム-硫酸塩泉ということになります。口に含むと苦みがあるのが特徴です。こちらの効能も硫酸塩泉の主立ったものです。

代表的な硫酸塩泉(石膏泉)


硫酸塩泉(石膏泉)の温泉は、日本でもそこそこ数が挙げられる程にあります。たとえば温泉まんじゅうについての話で言及した、群馬県の伊香保温泉の黄金の湯が硫酸塩泉になります。黄金の湯は含有成分が多く、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉となります。
硫酸塩泉の中でも、正苦味泉は日本では珍しい泉質になるのですが、北海道の旭岳温泉、天人峡温泉などでお目にかかることが出来るようです。
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春ならではの贅沢旅行 『花見露天』に出かけよう!

今年は3月中でも真冬みたいに寒い日が続きましたね。雪が降れば温泉好きとしては、『雪見風呂』なんて悦に入ることもあるのですが、今年の雪は突然で、降り方も洒落にならなかった。暖かくなったらようやく旅行計画を立てようと考えていた方にとっても、この寒さで予想以上の出遅れとなってしまったのではないでしょうか。
だからこそ、春の旅はゴージャスにいきたい。長い冬で悶々とした気分を、最高の贅沢で吹き飛ばすのです。温泉好きの今春のオススメは、『花見露天』。日本人なら、これ以上の贅沢はありません!

『花見露天』って何?


『花見露天』というのは、露天風呂の浴槽から主に桜などの花を眺めることが出来る温泉のことをいいます。別に室内風呂から桜が見えるところもあり、そちらも趣があって良いのですが、桜の樹との間に仕切りがないと、一緒に温泉を楽しんでいるような錯覚を覚えます。別のたとえで言うなら、花見会場で素っ裸になって温泉につかっているような、圧倒的な開放感・優越感があります。
『花見露天』を売り文句とするお宿は、露天風呂から見える風景に桜の樹があるタイプ、露天風呂の周囲に観賞用の桜の樹を植えたタイプ、あるいは風呂内に桜の樹をそのまま植えてしまったタイプなど、各種タイプがあります。自分がその中でどのタイプの『花見露天』を期待しているのか、はっきりとさせてから宿に確認してみるのが確実な方法です。

露天風呂からの風景に桜の樹が混じっているタイプ


近くでしげしげと桜を眺めなくても、遠景に桜があれば良い、という要望であれば、該当するお宿は比較的あります。露天風呂から近い場所に桜の樹があるタイプと比べて、一概につまらないとも言い切れないのは、やはり山の中に群生する桜という景色も美しいからです。
オススメは、なんと言っても吉野。山全体を埋め尽くす桜の樹というダイナミックな景色を見られるところは、吉野をおいて他にはありません。そして、露天風呂からこの絶景を眺められる宿もあるんです。

吉野山温泉 『湯本 宝の家』(奈良県)



『湯本 宝の家』の露天風呂、阿吽の湯からは、中千本の桜が一望できます。お得なお食事付き日帰り入浴プランもあるので、大層な贅沢旅行じゃない、ちょっとしたご褒美旅行としてもいかがでしょうか。

露天風呂の周囲に桜の樹が植えられているタイプ


遠景ではない桜が見られるタイプとして露天風呂の周囲に桜が植えられているタイプがあり、こちらも比較的該当する宿があります。その宿のある観光地が桜の名所でなくても、宿の周囲に桜があれば花見露天となりますので、最近では宿側もこぞって桜を植えるようです。さて、その中でも厳選の花見露天風呂を選ぶならば、なんと言っても川沿いに桜の樹が植えられているタイプ。他の季節には川縁の風景を堪能できることを売りにしている露天風呂ですが、桜の季節に行くと、それにとどまらない最上の贅沢が味わえます。

下呂温泉 『望川館』(岐阜県)



まず、下呂温泉の『望川館』。その名前の通り、川を望むところにある露天風呂です。さらに鉄橋に電車が走る様子を遠望できます。飛騨牛を使ったお料理も、こちらの宿の自慢♪

宝川温泉 『汪泉閣』(群馬県)



宝川温泉の『汪泉閣』は、川沿いの温泉というより、ほとんど川中の温泉と言って良い温泉です。露天風呂の東の横綱と呼ばれます。桜が見頃になるのがちょうどゴールデンウィーク辺りというのも嬉しいところ。ただし、紅葉の季節や雪の季節なども売りにするところですので、あくまで露天から見える桜は主役を張る程というわけではないということに注意です。

湯原温泉郷 『砂湯』(岡山県)


露天風呂の西の横綱、湯原温泉郷の『砂湯』からも、主役ではないながらも桜の樹が見られます。『砂湯』は無料で入れる公衆浴場のため、利用するのに特に宿泊や施設予約が必要ということはありません。けれども、折角ですから評価の高いお宿を探してみました。

『旅館 かじか荘』こちらの旅館はなんと砂湯から歩いて2分!お部屋は5部屋で宿泊料金もお手頃です。一人旅の方の利用にも対応されているそうですので、全国温泉巡りをする温泉フリークにとっても有り難いお宿です。

露天風呂の内部に桜の樹が伸びているタイプ


遠くから眺める桜では物足りない!プチ花見宴会気分を味わえなければ嫌だ!という方のための、極めつけがこの露天風呂内に桜の樹があるタイプ。勿論幹ごと据え付けられているタイプもありますし、桜の枝が湯の上に伸びていて間近で見られるというタイプもあります。共通しているのは、散る花びらを愛でることが出来るということです。

金沢犀川温泉 『川端の湯宿 滝亭』(石川県)



このお宿は露天風呂内に直接桜の樹があるわけではないのですが、非常に近くにあり、桜の花びらが湯の上に舞い散り浮かぶ程であるというので選びました。『滝亭』という名前の如く、滝を見ながら入れる露天風呂なのですが、桜の季節には桜と滝の共存が見られるわけです。また、客室風呂からは犀川沿いの桜並木を見ることが出来ます。至れり尽くせりのようです。

村杉温泉 『村杉共同露天風呂』(新潟県)


7本の桜の古木に囲まれた共同浴場。入浴料は300円ですが、村杉温泉に宿泊の場合100円になるとのこと。

とにかく自然の中という印象のある村杉温泉の共同浴場ですが、その自然の保護のため、露天風呂内での石鹸やシャンプーの使用が出来ません。また、湧出温度25℃を加熱使用しているものの、実際の湯温はぬるめで、ポカポカ暖まるといった入り方はできないようです。もっと腰を据えて泉質を楽しむなら、是非宿泊利用をしたいところ。『風雅の宿 長生館』では、県内最大の露天風呂内で、また別の桜の樹を眺め花見が出来ます。地域の方の利用も多い共同露天風呂で落ち着けるかどうかわからないという方でも、これなら安心です。

咲花温泉 『ホテルさきはな』(新潟県)



極めつけのタイプですね。露天風呂敷地内に1本桜の樹が植えられており、差し向かいで入浴が出来ます。咲花温泉の咲花というのは湯の花のことで、決して桜のことではないのですが、ピッタリな名前です。
でも温泉はどうやら準天然温泉(人口温泉)のよう。


磐梯熱海温泉 『離れの宿 よもぎ埜』(福島県)



露天風呂の浴槽の上を桜の樹が這うというなんとも大胆なデザイン。高級感の溢れる作りです。でも、これなら万人が花見露天と認めましょう。感動体験間違い無し!
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温泉の効能に科学的根拠はあるの?

含有成分による温泉の9つの分類について、各分類の説明をしている最中ですが、少し脱線をして。
温泉の各分類ごとに効能を挙げていっていますが、そもそも温泉の効能には、科学的な根拠はあるのでしょうか。

温泉の適応症と科学的根拠


これについては、科学的な根拠がある効能もあり、また根拠の見当たらない効能もあると言っておきましょう。温泉分析書にもっともらしく書かれている効能(適応症と表現されています)のうち、一般適応症として挙げられているものは、温泉の温熱効果によるものであり、一応の科学的根拠を持ちます。また、泉質別適応症として挙げられているもののうち、やはり一部のものは科学的根拠を持ちます。ただ、泉質別適応症のうち多くのものには、科学的根拠が求められていません。慣例的に、こういった泉質の温泉ならばこういう効果があると言われているといった所以で記載がされているのです。

では、科学的根拠がない効能は全くのでっち上げ、虚偽広告なのでしょうか。この問題については、そもそも科学的根拠があると言えるということが、どういうことなのかの説明が必要です。
効能について科学的に断定を行うためには、三段論法を使います。

(1). その温泉に、Aという成分が含まれている。
(2). Aという成分はBという効果をひきおこす。
(3). ゆえに、その温泉はBという効能をもつ。

この論法に乗っかる温泉が、科学的根拠をうたえるわけです。たとえば以前紹介した二酸化炭素泉

(1). その温泉には、遊離炭酸という成分が含まれている。
(2). 遊離炭酸という成分は血行促進という効果をひきおこす。
(3). ゆえに、その温泉は血行促進という効能をもつ。

このようになります。
さて、科学的根拠をもてないという効能について、その理由の多くは、(1)に当たる部分を上手く見つけられていないというところにあります。含有成分による9つの分類で登場するような成分は、温泉に含まれる成分のうち一部のものでしかありません。また、成分単体での作用のみならず、成分同士のバランスが効果を及ぼしている場合などには、ますます原因の発見が容易ではありません。
したがって、科学的根拠の挙げられない効能については、完全な虚偽というわけではなく、根拠が未発見という可能性があるわけです。

一方、効能とうたわれているものについて、科学的に虚偽と断定できるものもあります。この場合、三段論法の前半2項目のどちらかについて、虚偽であると証明できればよいのです。

(1). その温泉に、Aという成分が含まれている。 → 実際には含まれていない。
(2). Aという成分はBという効果をひきおこす。 → 実際にそのような効果はない。

温泉のうたい文句が盛られているのではないかと感じた場合、三段論法で説明してもらって、虚偽かどうか見抜くのがよいでしょう。嫌な客ですけどね(笑)。

温泉の効能は期待半分で


科学的、科学的とうるさいことを言っていると、温泉は楽しめないというのも一つの考え方です。もしかしたら、昔から言われている通りこの温泉にはこういう効果があるのかもしれない、と基本ポジティブに捉えるのが、温泉の正しい楽しみ方なのかも知れません。「楽しむ」ことの恩恵を逃さないようにしましょう。
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Author:FC2USER473085RAN
温泉が好きな国内旅行マニアです。色々な温泉に入るうちに、温泉のことをもっと知りたいと思うようになってきました。気になる美容・健康との関係についても調査しちゃいます!

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