箱根火山の活発化により注目を浴びる 造成温泉とは何か

日本でも有数の温泉地で、毎年の人気温泉地ランキングでは1位の常連となっている、箱根温泉。その箱根温泉を有する箱根山の火山活動が、今年に入ってから活発化しています。搔き入れ時とも言えるゴールデンウィーク中に群発地震を観測し、噴火警戒レベルが2に引き上げられると、6月29日には火山からの降下物を観測、その翌日には入山規制にあたる噴火警戒レベル3へと引き上げられました。

火山活動の影響で温泉の供給が止まる


大湧谷周辺の旅館・入浴施設では風評被害等もあり、営業を続ける事が難しくなってきましたが、そうした集客上の問題以上に、根本的な大きな問題に直面してしまっているようです。大湧谷で400軒ほどの施設に温泉を提供している箱根温泉供給組合株式会社の温泉造成設備が、火山活動の活発化によりダメージを受けてしまったようで、近隣の多くの旅館等で目玉の温泉を提供できないという事態が発生しています。供給再開に必要なメンテナンスも、現状の警戒レベルのもとでは行うことが出来ず、途方に暮れているという状態のようです。

そもそも造成温泉とは何か


この箱根温泉供給組合株式会社の設備では、造成温泉と呼ばれる温泉を人工的に作って供給しています。造成温泉というのは、温泉を生成するポテンシャルのある場所に、別の場所から得た水を人工的に送り込み、大量の温泉水を作り出すという方法で作られた温泉です。箱根温泉の場合、開湯は奈良時代まで遡りますが、一大観光地となるには源泉の水量が少な過ぎたため、明治時代以降に造成温泉製造設備の工事を始め、昭和に完成、湯量を増やしています。
大湧谷の造成温泉は、噴気口から常に吹き出し続ける蒸気を送り込んだ水と混ぜ合わせる事で作られており、蒸気泉温泉と呼ばれています。このようにして人工的に得た温泉が果たして温泉の定義に適うのか、と疑問を生じる事もあるかもしれませんが、温泉法による温泉の定義では地中からの水蒸気も温泉として認められているため、立派に温泉とうたう事が出来ます。

造成温泉の源泉掛け流しはあり得る?


水に温泉成分を加えて人工的に作った人工温泉程ではないものの、造成温泉も人工的に作られた温泉というイメージがあります。温泉が天然の状態で供給されているか評価する指標の一つとして、源泉掛け流しかどうかというものがありますが、造成温泉の源泉掛け流しというのは果たしてあり得るのでしょうか?
これは、温泉施設側での認識の問題によるところが大きく、造成温泉で源泉掛け流しをうたっていても、完全に虚偽の広告ということにはなりません。掛け流しであるかどうかというのは基本的に温泉の供給状況を示すもので、お湯を循環濾過装置で再利用していなければ、掛け流しにあたると言えます。
ただ、温泉マニアが何故源泉掛け流しにこだわるのかというと、地中から出た温泉が空気に触れて成分変質などしてしまっていないかという点の判断をしたいという部分が多少なりともあります。そこで、そもそも装置により加水のようなプロセスが行われている造成温泉で、掛け流しがうたわれているかどうかは(衛生面の懸念を除いて)そこまで重要ではないことと言えるのではないでしょうか。

なおひとくちに箱根の温泉と言っても、造成温泉を利用している施設、地中から湧出する温泉を利用している施設、その2つを混ぜ合わせて利用している施設など、様々です。火山活動が沈静化したら、そうした源泉の種類にこだわりつつ、箱根の温泉を巡ってみるのも楽しいですよ。

関連記事
スポンサーサイト

スポンサードリンク

プロフィール

FC2USER473085RAN

Author:FC2USER473085RAN
温泉が好きな国内旅行マニアです。色々な温泉に入るうちに、温泉のことをもっと知りたいと思うようになってきました。気になる美容・健康との関係についても調査しちゃいます!

最新記事

カテゴリ

おすすめトラベルリンク