温泉マーク廃止問題のもう一つの意味 サカサクラゲ?

前回のポストでは、2020年の東京オリンピック開催を前に伝統的な温泉マーク(♨️)が存亡の危機に瀕していた…けれども、廃止見送りになった!という話をしました。

使用続行となった温泉マークと、発祥地をうたう磯部温泉


その中で現行の温泉マークが廃止されそうになった理由を、外国人から見たら温かい食べ物(Hot Meal)の提供場所に見えるから、という風に説明いたしました。この見解は、経済産業省の公報ページで今回の改正理由として書かれていたとともに、温泉マーク問題を扱った多くのテレビ番組で実際に外国人にマークを見せた際の反応から、番組中で結論づけていたものです。

温泉マーク廃止問題 実は意外な背景が…


でもそうしたテレビ番組のインタビューに出てくる外国人は、決まって白人、ないし東南アジアの国々の人でした。一方、いくつかの番組で国籍別の現行温泉マーク理解度グラフを出していましたが、韓国の人の温泉マーク理解度が高く、その理由を韓国でも同じ温泉マークが使われているため、と説明していました。それならば、韓国の人を捕まえてインタビューに答えてもらえば、正解を導き出してくれるのでは?むしろ韓国の人にも理解されるのならば、現行の温泉マークを国際的な標準とする運動を起こせば良いのでは?
しかし、そう簡単に事が終わらない、意外な背景がそこにはあったのです。

温泉マークの別名、サカサクラゲ


皆さんは「サカサクラゲ」という言葉を知っていますでしょうか?クラゲの一種…実はそれも正解です。サカサクラゲは熱帯に棲息するクラゲの一種で、科名にもなっています。
でももう一つの意味。それが温泉マークを呼ぶ呼び方で、実際♨️のマークはクラゲが逆さまになって浮いている様子に似ています。そして、このマークを素直に温泉マークと呼ばずにサカサクラゲというのは、言外の意味があるからです。
実は昭和の時代の日本では、連れ込み宿、いわゆるラブホテルがこの温泉マークを掲げて営業内容を表示していました。宿内に温泉があるなしに関わらず、この湯気が三本立ったマークを使っていたのです。そしてそのマークを表す隠語として、サカサクラゲという呼び方が広まっていったのです。
温泉マークを連れ込み宿の表示として使う風習は、温泉旅館組合の反発等も受けて各地で規制され、現在では古い建物の看板等でしかお目にかかる事はなくなりました。けれども韓国や台湾といった戦前戦後日本文化の影響の大きかった国では、温泉マークを温泉の湧いていない宿泊施設、連れ込み宿的性質のある宿泊施設などの表示に使う例が、いまだ残っているのです。

温泉マーク存続問題は、韓国での法改正を受けてのもの?


ちなみに韓国では、この温泉マークが大日本帝国支配時代の残滓である事もあり、新しい温泉マークへの切り替えが2008年に施行されました。けれども対象となるのは、実際に温泉が利用できる施設のみ…ということで、かえって♨️のマークが温泉とは無関係の宿泊施設をはっきり表すマークとして残ってしまったのです。
そのような事実をふまえると、今回東京オリンピック前に温泉マークの見直しが議論された背景というのは、外国人にわかりにくいからという曖昧な理由ではなく、韓国でこのマークが別の意匠として使われ、ちょっと淫靡な意味すら持ってしまうから、というものだったのではないでしょうか。
温泉マークの全く同じ図像が韓国や台湾で使われているというのは、大日本帝国統治時代という少し後ろ暗い事実を想起させますし、そもそもサカサクラゲと呼ばれて連れ込み宿の表示に使われていた時代に触れるのは、経済産業省も避けたいところがあったのでしょう。だからと言って存続問題の本質を表に出さずに、ヒアリングは終了、温泉マークは国民の皆様の意見により存続が決定!と問題を締めてしまうのも、いかがなものでしょうかね。
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使用続行となった温泉マークと、発祥地をうたう磯部温泉

2月22日は一体何の日でしょう?

2(ニャン)が3つあるので、ニャンニャンニャンで猫の日!というのはちょっと有名な話ですが、数字の2の形が地図記号の温泉マーク(♨️)の湯気にも似ているので、温泉マークの日!というのも正解であるようです。

温泉マーク 実は存亡の危機にあった


日本人であれば、♨️の図を見て温泉を表しているというのは一目瞭然です。でも果たして日本に旅行でやって来た外国人がこの図を見て、温泉に入れる場所であると理解できるでしょうか?その人の国籍によっては、この図が温かい料理(Hot Meal)を提供する場所の表示に見えてしまうのでは?
そういった懸念からか、経済産業省は2020年東京オリンピックの開催を見据えた案内用ピクトグラムの見直しで、現行の温泉マークを取りやめにし、湯気の下に三人の人影が入り入浴施設であることを判り易くする意匠を標準とすることを昨年提起しました。
ところがところが、この提案が温泉業界から意外に大きな反発をくらい、最終的には新しい意匠に加えて、現行の温泉マークの併用も可能であるようにする、という決定が先頃されたようです。

意外に歴史のある温泉マーク 初出は江戸時代の磯部温泉


わずか4本の線による簡単な温泉マークですが、このマークが使われ始めたのは意外に古く、1661年(万治4年)の上野国の農民の土地争いに対して江戸幕府から出された判決文に、磯部温泉を表す記号として温泉マークが使われているそうです。このことから、群馬県にある磯部温泉では温泉マーク発祥の地を名乗って、日本最古の温泉記号のモニュメントも建てているそうです。

磯部温泉は信越本線磯部駅近くの温泉街


この磯部温泉には、鉄道で簡単にアクセスする事が出来ます。JR信越本線の磯部駅が最寄駅で、徒歩10分程で着く碓氷川の川縁を中心として8軒の旅館が集まります。新幹線で行く場合は北陸新幹線の安中榛名駅で降車すると、定期バスが運行しています。
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩強塩温泉。日帰り公共温泉施設の『恵みの湯』があり、通常入浴(3時間500円)に加え事前予約をすることで砂塩風呂(1回2500円)の利用まで出来ます。
旅行先に温泉マークを見つけては目を輝かせて情報収集してしまう温泉マニアは、日頃の感謝、または話のネタづくりに磯部温泉に行かれてみるというのはどうでしょうか。




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温泉が好きな国内旅行マニアです。色々な温泉に入るうちに、温泉のことをもっと知りたいと思うようになってきました。気になる美容・健康との関係についても調査しちゃいます!

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