「湯もみ」に科学的効果はあるのか

アツアツの源泉を浴槽に満たして、10人くらいの女性が唄を歌いながら六尺板でかきまぜる。テレビの温泉特集で見たことある方もいるかもしれません。この不思議な風習を湯もみと言って、群馬県草津温泉では湯もみの実演が観光の目玉となっています。

「湯もみ」の歴史と何故行われるのか


この湯もみという風習は、最初から観光客向けの見せ物として始まったわけではありません。そもそもは源泉の温度が50〜90度ととても高温である草津温泉において、浴槽のお湯を入浴できる温度まで下げるという意図があって、空気を混ぜ込んで撹拌する湯もみが行われるようになりました。温度を下げるには源泉を水で薄めればよいのではないかと思いつくかもしれませんが、草津温泉は古来より湯治のメッカ。折角の源泉の効果を水で薄めるなどもってのほかだったのです。ある意味で、今日まで残る源泉掛け流し信仰の発祥とも言えるかもしれません。

「湯もみ」が何故草津温泉の名物になったのか


ただ、この湯もみが他の湯治用温泉であまり表に出ず、草津温泉の目玉としてばかり語られるのは、もう一つの歴史的理由があります。それは明治時代から草津温泉がらい病(ハンセン病)治療に効果があるとして、らい病治療専門街(下町)が造られるほど集団湯治の引受先となったからです。このとき、大量の湯治者を温泉設備でさばく方法として、集団入浴のルールを決めた時間浴という慣習が出来上がります。これは湯治者自身による湯もみと号令による入浴時間を決めた一斉入浴がセットになったもので、このサイクルを4回繰り返します。浴槽の両脇に隙間無くならんで湯をかきまぜる草津温泉の湯もみのスタイルは、こうしてできあがっていったわけです。

「湯もみ」の科学的効果は?


この湯もみの効果として、草津温泉の湯もみを紹介する雑誌やホームページなどの文章を見ると、湯温を下げて湯をやわらげるといったような表現で書いてあったりします。湯温が下がることは勿論科学的に見て間違いないのですが、湯をやわらげるという部分について、湯温の低下とは別にあたかも湯の性質が軟らかくなるかのように書いている表現も見かけます。
温泉水の硬度で硬い軟らかいの違いというものがありますが、この場合含まれている金属イオンの成分が多いほど硬水、すなわち硬いお湯となります。湯もみによってこの硬度が変化するといった効果は考えられませんので、おそらく"湯温を下げて湯をやわらげる"という部分が伝言ゲームで2つの効果があるかのように伝わってしまっているのでしょう。実際は、湯がやわらいで感じられるのは湯温が下がったからであり、科学的裏付けのある効果は湯温の低下の部分のみとなります。

「湯もみ」の実演を見学・体験しよう


草津温泉の湯もみは、現在「熱乃湯」という施設で毎日見学が出来るようになっています。1日6回の公演で、見学料は大人600円となっています。また、公演が行われない11:30から14:00までの間には、250円の料金で湯もみ体験ができるようになっています(ただしこちらは基本的に土日祝のみ)。
時間浴における湯もみの効能には、身体を動かすことで入浴前に身体を温め汗をかくというものもありますので、湯もみを自分自身で体験した上で草津温泉に入ればより伝統的な入浴法に近付くと言えるかもしれませんね。
熱乃湯のすぐ真横にある旅館


こちらは真後ろにあるホテル。どちらも湯畑を見下ろせる立地です

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温泉が好きな国内旅行マニアです。色々な温泉に入るうちに、温泉のことをもっと知りたいと思うようになってきました。気になる美容・健康との関係についても調査しちゃいます!

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